KaiMailでカスタムドメインからのメール送信が可能に
カスタムドメインでメールを受信できても、返信時に個人アドレスが露出する悩みはありませんか?KaiMailのSMTP送信を使えば、使い慣れたメールアプリから自身のドメインで直接送信が可能です。DKIM署名にも標準対応し、ビジネスに不可欠な信頼性を確保。本記事では、その仕組みと具体的な設定手順を解説します。
これまでKaiMailが対応していたのは、カスタムドメインでのメール受信と転送だけだった。それだけでも便利ではあったが、不完全だった。同じドメインから返信したければ、別の送信サービスを用意する必要があった。1つのメールアドレスに2つのシステム。正直、面倒だった。
それが変わった。KaiMailがSMTP送信に対応し、普段使っているメールクライアントからカスタムドメインでメールを送信できるようになった。
受信、転送、送信。1つのサービス、1つのドメインで完結する。
「転送のみ」の限界
カスタムドメインのメール転送を設定する。[email protected]宛のメールがGmailの受信トレイに届く。ここまでは順調だ。ところが、取引先からの問い合わせに返信しようとすると、[email protected]から送信されてしまう。せっかく設定したドメインではなく、個人のアドレスが相手に見える。これはCloudflare Email Routing、ImprovMXの無料プラン、その他あらゆる転送専用サービスに共通する現実だ。受信は機能する。しかし、プロとしての返信はできない。
回避策はある。例えば、Gmailの「別のアドレスから送信」機能を利用する方法。動いているうちはいい。だが、いつか動かなくなる。アプリパスワードが無効化され、リレーサービスの規約が変わり、ある朝突然、クライアント向けのメールがバウンスし始める。朝9時からメールの配管工事をデバッグするはめになる。本来の仕事ではなく。
回避策がうまくいっている場合でも、認証が壊れていることが多い。メールが受信トレイに届くにはSPF、DKIM、DMARCの整合性が必要だが、つぎはぎの送信設定で3つすべてを正しく揃えるのは難しい。GmailとYahooは2024年に送信者要件を厳格化した。「だいたい動いている」ではもう通用しない。
そしてコストの問題がある。
Google Workspaceは800円/ユーザー/月程度からだ。Microsoft 365も似たような価格帯である。カスタムドメイン1つか2つでメールの送受信をしたいだけなら、フル機能のプロダクティビティスイートに毎月払うのは、食料品を運ぶためにトラックを買うようなものだ。
どんな人に必要か
フリーランスや個人事業主であれば、ビジネス用のドメインを1つか2つ持っているだろう。gmail.comやyahoo.co.jpのアドレスではなく、請求書やクライアントへのメールに[email protected]を使いたい。カレンダーもドキュメントエディタも30GBのクラウドストレージも要らない。ドメインのメール送受信が、副業のようにならずに動いてくれればそれでいい。
開発者で副業やサイドプロジェクトを持っているなら、問題は倍増する。アイデアが思いついたら真っ先にドメイン取得するし、気づいたら6個のドメイン、16個のドメインを持つようになってしまう。
それぞれにDNSレコードが必要で、それぞれに送信経路が必要だ。DNSやSMTPの設定には慣れているが、新しいプロジェクトのたびにリレーのセットアップを繰り返すのはうんざりする。1つのサービスですべて管理できるのが理想だ。(メールをアプリケーションに流し込みたい場合は、webhookのチュートリアルも参考になる。)
小規模ビジネスでGoogle Workspaceから移行した人(あるいはGoogleがG Suite無料版を廃止した際に追い出された人)なら、ユーザーあたりのコストが積み上がる辛さを知っているだろう。5人、10人、15人。全員がカスタムドメインのメールと確実な配信を必要としている。必要なのは複数のメールボックスであって、複数のサブスクリプションではない。
仕組み
KaiMailは標準的なSMTP送信をポート587、STARTTLS暗号化で提供する。独自仕様は何もない。メールクライアントがメール送信に対応していれば(Thunderbird、Apple Mail、Outlook、Gmailの「別のアドレスから送信」、スマートフォンのメールアプリなど)、KaiMail経由で送信できる。
設定方法は他のSMTPサーバーと同じである。以下の「メールクライアントの設定」のテーブルにある内容がすべてである。
すべてのメールにDKIM署名
KaiMail経由で送信するメールはすべて、ドメイン固有のキーで自動的にDKIM署名される。DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、そのメールが確かにあなたのドメインから送信されたことを受信サーバーに証明する暗号署名である。メールが受信トレイに届くか迷惑メールフォルダに入るかに直接影響するため、これは重要だ。
署名キーの管理や送信側での設定は一切不要である。KaiMailがすべて処理する。
3ステップでセットアップ
1. SMTP認証情報を取得する
KaiMailダッシュボードにログインし、プロフィールページでSMTP認証情報を確認する。SMTPパスワードはアカウントパスワードとは別になっており、セキュリティ上の理由からダッシュボードのログインに影響を与えずにローテーションできる。
2. DNSレコードを追加する
カスタムドメインに最低でもこの2つのDNSレコードが必要である。
- DKIM TXTレコード 受信サーバーがメール署名を検証するために使う。KaiMailが追加すべき正確なレコードを提供する。
- SPFレコード ドメインのSPFレコードに
mail.kaimail.netを追加し、KaiMailがあなたに代わって送信する権限があることを受信サーバーに知らせる。
あと推奨されていることとして、以下のDNSレコードも追加してください。
- DMARCレコード:
_dmarc.mydomain.comにDMARCレコードを追加することで、お客様のドメインからのメールをどのように処理するかを世界に通知できる(ポリシーとも呼ばれる)。
3. メールクライアントの設定
メールクライアントで以下の設定を使う。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| SMTPサーバー | mail.kaimail.net |
| ポート | 587 |
| セキュリティ | STARTTLS |
| ユーザー名 | KaiMailのメールアドレス |
| パスワード | SMTPパスワード |
テストメールを送信すれば、準備完了である。
送信メールの確認
KaiMailダッシュボードに送信メールログが追加された。送信したすべてのメールとその配信ステータスを確認できる。何か問題が起きても、推測に頼らず状況を把握できる。
プランと送信制限
SMTP送信はすべての有料プランで利用可能である。各プランには30日間のローリングウィンドウに基づく月間送信クォータが含まれる。
| プラン | 送信メール数/月 | 料金 |
|---|---|---|
| Plus | 500 | ¥550/月 |
| Pro | 1,000 | ¥1,650/月 |
| Business | 2,000 | ¥5,500/月 |
Proプランがおすすめである。送信を必要とするほとんどのユーザーにとって、十分なクォータとコストのバランスが良い。
無料のBasicプランにはSMTP送信は含まれない。
送信量上限の仕組み
送信量上限はシンプルである。
- 過去30日間に送信したメール数で計算される(ローリングウィンドウであり、月締めではない)。
- ダッシュボードにプログレスバーでリアルタイムの使用状況が表示されるため、常に残りを把握できる。
- 上限に達すると送信は一時停止される。古い送信が30日間のウィンドウから外れると自動的に再開される。
- メールが消失したり、予期せずバウンスされたりすることはない。上限に達した場合、メールクライアントに明確なエラーが返される。
セキュリティについて
セキュリティ面で注目すべき3点:
- TLS暗号化: すべての接続はSTARTTLSを使用し、認証情報とメール内容は転送中に暗号化される。
- SMTP専用パスワード: SMTP認証情報はアカウントログインとは独立している。ダッシュボードへのアクセスに影響を与えずにローテーションできる。
- 送信ドメイン検証: KaiMailは送信メールの「From」ドメインがアカウントに紐づいているか検証する。所有していないドメインからの送信はできない。
はじめ方
有料プランのユーザーは、すでにアカウントでSMTP送信が利用可能である。プロフィールページで認証情報を取得して送信を開始できる。
Basicプランのユーザーでカスタムドメインからの送信を始めたい場合は、有料プランにアップグレードすると利用できる。
イクバル・アバドゥラ